全部補償してくれるとは限らない!対人賠償保険と過失の関係

交通事故に遭ってしまった場合、または起こしてしまった場合、お金のことも気になりますが、まず一番は怪我のことですよね。

車の損害が幸いにも軽微であった場合でも、当事者同士、同乗していた人達が全くの無傷ということは、あまりありません。車同士や自転車・歩行者との事故でも同様です。
例えば、交通事故でよくある「むちうち症」。この症状が出てくるのは、事故後2~3日経てからと言われています。
交通事故の怪我の補償は、いったいどのようにされるのでしょうか?
また、加害者と被害者で、補償に差が出てくるのかを確認してみましょう。

交通事故における加害者と被害者とは

そもそも交通事故において、加害者と被害者をどう区別するのか?
一般的には、事故の形態による過失割合で判断します。
過失割合をその場ですぐ判明させるのは、容易なことではありません。過去の裁判事例を見たり、判例タイムズ(事故の判例集)に照らし合わせていく必要があります。
つまり、事故を起こしたその場で完全にわかることは、そうそうないのです。

世間一般的には「怪我のひどい方が被害者」と言われていたり、「警察が現場でそう言ったから」信じる人もいます。
けれど、実際の状況を両者から詳しく聞いたり、現場を再度確認してみると、正反対であることもしばしば。
明らかな信号無視や、追突、センターラインオーバーという形態でない限り、事故現場で当事者同士が加害者・被害者を決めるのはやめましょう。後々の示談が遅れてしまう原因にもなってしまいますよ。

参考:「交通事故に遭った時、最初に謝ったら不利になるって本当?」

怪我をしたときの対応

事故後、身体に不調を感じたとき

明らかに大きな怪我(意識不明、出血多量、骨折)などで救急搬送される場合は別として、まずは近隣の病院をすぐに受診しましょう。
事故現場で当事者同士が加害者・被害者を判断して、「加害者だから病院へ行けない」「被害者だから病院へ行かなければ」と、勝手な解釈をすることは禁物です。

また、自分で病院へ向かう際は、事前に電話などで受診できるか確認することをおすすめします。
なかには「交通事故の患者はお断り」という病院もあったり、休日では怪我や交通事故を担当できる医師がいないというケースもあるからです。

病院の支払い方法はどうするの?

自分が明らかに加害者である場合(追突や信号無視・センターラインをオーバーしたケースの場合)、怪我をした被害者の治療費を支払うのは、道徳的にも当然のことです。
またこの支払いについては、対人賠償保険に加入していれば、後日保険会社を通じて返金されます。

では、その時点で加害者・被害者が決めにくいケースや、お互いに被害者意識の高い場合は、どう対応すればいいのでしょうか?

保険会社に連絡する

まずは、自分が入っている保険の窓口へ連絡しましょう。
最近では、多くの保険会社が24時間365日電話で対応可能となっていますね。電話連絡の上、支払いの相談をしてみましょう。
交通事故の起きた日が土日祝日の場合、実際に保険会社の示談担当者がつくのは休み明けとなることが大半です。そのため、担当がつくまでの適切な方法を、保険会社のコールセンターが案内してくれるでしょう。

病院に支払い方法を確認する

事故が起きると、とにかく動揺してしまいますよね。
その混乱のさなか、入っている保険会社を失念したり、証券や連絡先がすぐにわからない場合もあるでしょう。
その場合は、病院に支払い方を確認してみてください。病院ごとに、対応方法は異なってきます。
誓約書を記入すれば治療費の窓口保留ができる、という病院も多くなっています。
場合によっては、ある程度の金額を「保証金」として預け入れる対応をすることもあるようです。
この保証金は、保険会社の対応が決定した時点で、保険会社から病院へ連絡を入れることで、お金を預けた人へ返金されるようになります。

以上のように、交通事故の治療費は、「当事者のどちらかがすぐその場で支払わないといけない」ということでは、必ずしもありません。

また、よく「相手方の治療費を支払ってしまうと、こちら側(支払ってしまった側)の過失を認めてしまったことになるのでは」と思われがちですが、そんなことはありません。安心してくださいね。

怪我の治療費はどこから補填されるの?

 交通事故における怪我の治療費は、窓口で支払いしても保険に加入していれば、返金が受けられるという話を先ほどしました。
この「保険」とは、「対人賠償保険」「人身傷害保険」のことを指します。
ご自分の保険証券をご覧いただくと、対人賠償保険があるかを確認できます。おおよそ全ての方に付帯されている保険だと思います。

しかし対人賠償保険は、その保険の契約者が「あること」を認めたうえで、初めて使用される保険でもあります。
それは、「自分の方が過失が大きい」ということ。
その上で、「相手の怪我も補償してあげてください」と伝えなければいけないのです。

それでは、もしお互いに譲歩しなかった場合、どうなるのでしょうか。
自分にも過失がある場合、怪我があっても病院にもいけないのでは・・・という心配もあります。

まずは、対人賠償保険について簡単にご説明します。
 

対人賠償保険とは? 問題になるのはどんなケース?

保険会社から配布される約款には、下記のように記載があります。

「自動車事故によって他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負った場合に、自賠責保険で支払われる限度額を超える損害賠償額に対して保険金が支払われる保険であり、自賠責保険を補完する保険」

 これによると、対人賠償保険とは「自賠責保険」(原則強制)を加入している前提での、任意保険となります。
自賠責保険は、怪我がある被害者がいる限りこの使用は当然となっています。
しかし対人賠償保険については、「契約者が任意に使用を決めることができる」という意味合いを含んでいるのです。
よって、契約者が加害者であった場合、保険についての使用は契約者に一任されているということになります。
ですから過失割合について当事者同士が譲歩しない場合には、この保険は使用できない可能性もでてくるのです。

では、実際に問題となってくるのはどんなケースでしょうか。

過失割合が双方同じ程度

割合が同程度ということは、どちらも同じくらいの過失ということです。
この場合は一般的に、対人賠償保険を使うというケースは少なくなっています。保険会社のほうも、対人賠償保険を使用することをすすめません。
このケースで怪我がある場合には、人身傷害保険の付帯があるかどうかで対応が変わってきます。
付帯されていれば、当事者の怪我は人身傷害保険でカバーすることが多いです。
付帯がなければ、自賠責保険会社への直接請求となってきます。

事故状況の双方証言の食い違い

これは、過失割合が決定するまでに時間がかかるケースとなります。
 当然、怪我がある場合には、治療費はどうするのかという問題がでてくるでしょう。
基本的には「過失割合が双方同程度」のケースと同じで、人身傷害保険で先に怪我をカバーして、割合決定後に切り替える方法や、同じく自賠責保険への先払い請求という方法があります。

ただ、残念ながら上記2つの場合とも、対人賠償保険を使いたがらない「本音」があります。
なぜなら、対人賠償保険の使用は自動車保険料の等級ダウンの原因になってしまうから。当事者も保険会社も、それは同じです。

まとめ:怪我についての補償は相手に頼らず、自分でも付帯を!

交通事故では、様々なケースが想定されます。
過失割合が明らかに判断できるものを除いては、すぐに判断できないものも数多いものです。
事故に遭った時、相手から全て補償してもらえると思ったら、それは大きな間違い。自身の過失も含めた「過失相殺」や、歩行者・自転車にも過失があるケースもあります。
保険会社の過失判断も、時間がかかるかもしれません。現場確認や警察での調書を待つ必要が出てくるからです。

加害者・被害者での補償の差は、「対人賠償保険の有無で異なるが、そもそも自分がどちらか判明するのは時間がかかる」のです。

怪我の治癒は、なにより一刻を争うもの。自身の体を守るためにも、怪我の補償について見直しておくことはとても大事になってきます。
予算の範囲内で、人身傷害保険や、搭乗者傷害保険などの保険も検討したいですね。

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