不正改造車でも車両保険は出るの?

改造車

5センチの段差で車に穴があいた!?

私がAさんの事故を受け付けた時、大きな違和感を覚えました。

「5センチ程度の段差を乗り越えようと思ったらドスンと音がして車が動かなくなった。修理工場に持って行ったら底に穴があいていた」

だいたい私たちが受け付ける事故はバンパーやフェンダー、といった車の側面の損傷が多いのですが、今回は『下』です。

こういう車の損傷についてはアジャスター(車の損傷を査定する専門家)にすぐ質問します。

「不思議ですね、なんで穴があいたんでしょうか」

アジャスター「塩カルで下が錆びてたんじゃない?」

「塩カルって凍結防止にまいてるあのツブツブしたやつですか?」

アジャスター「そうだよ。あれすっごい錆びやすいから、つくと車の下が錆びてぼろぼろになることもあるんだよ」

「へえ。じゃあこの人もそうなんですかねえ。けど新車登録から3年もたっていない車が錆びでボロボロになるもんでしょうか。」

アジャスター「さあねえ、見てみないとなんとも言えないけど、ちょっと不思議だね」

アジャスターさんも首をひねっていたので私はAさんに電話をして状況を確認しました。

すると事故状況は報告書通りです。

百聞は一見にしかず、なのですぐにアジャスターさんに車を見に行ってもらいました。

社外部品のせいで穴があいた?

アジャスター「あのさ、あの車、車高調してるよ。社外のショックアブソーバーつけてて、底が抜けてるんだよね。そこだけやたら腐食が激しいよ」

「???さっぱり意味がわかりません!『しゃこちょう」ってなんですか?しょっくあぶそーばーってなんですか?」

アジャスター「あーあのね、『しゃこちょう』っていうのは『車高調』って書くんだけど、車の車高を低くしたり高くしたり調整する部品だよ。低くしている車とかあるでしょ?ああいうのについてるの。ショックアブソーバーっていうのは衝撃を吸収する部品」

「ふーん。それで穴があいた原因はなんですか?」

アジャスター「はっきりは言えないけど、それら部品は社外品だからそこだけ負荷がかかってしまったからかも」

「その車は車検が通るレベルの改造ですか?」

アジャスター「いや、あれは無理だね。車高が低すぎてあのままじゃ通らないよ」

「じゃあ違法改造ってことですか?」

アジャスター「そうだね。あの部品が原因でまだ新車から3年しか経っていないのにあんだけ腐食したのかも」

「そうですよね。いくら塩カルで錆びるって言っても3年で車体に穴があくようでは、北国の車は穴があきまくりってことになりますよね。アジャスターさんの経験でこんなことってありますか?」

アジャスター「ないよ。こんな新しい車なのに穴があくのは異常だね。原因はあのショックアブソーバーしか考えられないかも」

違法、不法改造車には車両保険は支払えない

私たちのバイブル、約款には保険金が支払える場合支払えない場合というのが事細かく書かれています。

その車両保険の項目に「不正改造及びそれに類する改造が原因で起きた事故については補償しない」と書かれているのです。

今回のAさんの事故はこれに該当するため支払い不可となりました。

「車検が通らない改造=車の本来の性能を発揮できない」ので、それだけ車体にかかる負荷も高くなります。

車が壊れるリスクを自ら高くしている人に、お客様から集めた大切な保険料を使うわけにはいきません。

Aさんには酷でしたがその旨を通知し保険金請求を取り下げていただきました。

その後、Aさんは正規ディーラーで純正オプションを使って車高を調整した車を購入したそうです。

車好きで改造をしている方は車検が通る範囲に収めておきましょうね。

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