等級が下がる事故と下がらない事故

アップダウン

自動車保険には、保険料を決める重要な要素「等級」が有ります。

6等級からスタートして事故を起こさなければ20等級に到達し、最大限の割引を受けることができます。

等級は事故を起こすと「3等級」もしくは「1等級」下がり、保険料が高くなる仕組みです。

中には保険を使っても等級に影響がないノーカウント事故もあります。

この等級制度って年々複雑になっていて、すぐに理解することはできません。

私が働いていた保険会社でも50代の人身担当のおじさま社員たちは「ダウン事故?ノーカウント?よくわからんよ」とぼやいていました。

社員ですらそんな状態なので一契約者さんはもっと大変だと思います。

そこで、私なりに等級制度についてまとめてみました。

事故を起こした時、自分がどの事故に該当するのか確認してみてくださいね。

3等級ダウン事故

まずは、保険を使うと等級が3等級ダウンする事故をご紹介しますね。

対物賠償責任保険、対人賠償責任保険を使った場合

対物、対人は使ったらどんな事故形態でも等級はダウンしてしまいます。

例外は、対人で自賠責の範囲を超えずに示談ができた場合です。

例えば、車で人をはねたけど相手の人は軽症で治療費や慰謝料等全部合計して「120万円未満の賠償金」でおさまり、全額 自賠責保険でまかなえた、というケースでは任意保険の対人賠償は使わなかったことになるので、等級は変わりません。

人身担当者によると、捻挫、打撲等の比較的軽症な対人賠償は7割以上が、自賠責の範囲でおさまるそうです。

他物との接触による車両保険を使った場合

ガードレールにぶつけた、前の車に追突した、当て逃げされた、といった事故で車両保険を使うと3等級ダウン事故になります。

1等級ダウン事故

昔は等級据え置き事故でしたが、今は1等級ダウンすることになってしまいました。

具体的にはガラスへの損傷、飛来物との接触、落下物との接触、いたずらによる損害、台風や水害による被害、盗難、等です。

よくある事故形態はフロントガラスへの飛び石や10円傷によるいたずらです。

この1等級ダウン事故になるのかどうか、というのは保険会社の社員同士でも熱い議論が交わされます。

例えば「落下物」の定義です。

落下物は「重力の影響により落下しているもの」という定義です。
例えば、大きなクレーンが風に倒されて車に落ちてきた場合は落下物扱いで「1等級ダウン事故」、になりますが、立てかけておいたほうきが倒れかかってきて車にぶつかったら落下物扱いにはならず「3等級ダウン事故」になります。

私も現役時代は何度も上司とあーでもないこーでもない、と言い合いをしたものです。

ノーカウント事故

保険を使っても全く等級に影響がなく、翌年は1等級アップする事故があります。

それを「ノーカウント事故」と呼びます。

人身傷害搭乗者傷害のみを使った場合や、ファミリーバイク特約弁護士特約個人賠償特約などを使った場合が「ノーカウント事故」です。

自分に全く過失がない、0:100事故の被害に遭い、相手が判明している時に車両保険を使った場合もノーカウント事故です。

例えば、0:100の追突事故の被害にあったけど、相手が無保険で修理代を支払ってくれない場合などです。

「事故有り係数」と「事故無し係数」

「係数」なんて言われて読むのが嫌になるかもしれませんが、さらっと流し読みでも良いので目を通してくださいね。

自動車保険では、事故を起こすと等級が下がって割引が少なくなり、保険料が高くなります。

さらに、等級に「事故有り係数」が適用されます。

つまり「保険を使った人の12等級」と「使わなかった人の12等級」では割引率が違うのです。


事故あり係数が適用された12等級
 ⇒ 27%割引
事故なし係数が適用された12等級 ⇒ 48%割引

昔は、3等級ダウンするだけだったのに、「事故有り係数」という割高な等級制度が適用されてしまうのです。

私はそれを聞いて、踏んだり蹴ったりとはこのことだと思いました。

保険会社には保険会社なりの理由があって、「もらっている保険料の割に支払う保険金が段々と増えて採算が取れなくなった」のですが、それにしても契約者さんにとっては改悪と言えますよね。

「事故有り係数」の適用期間

事故を起こした契約者さんにとっては等級ダウンとあわせてダブルパンチとも言える事故有り係数ですが、一生適用されるわけではないのでご安心ください。

3等級ダウン事故の場合は「3年間」、1等級ダウン事故の場合は「1年間」のみ、事故有り係数が適用され割高ですが、その期間を過ぎると無事故の係数に戻れるので保険料は安くなります。

事故を何度も起こした場合は、事故有り係数適用年数はプラスされていきます。

3等級ダウン事故を2回起こしたら6年間事故有り係数が適用されます。

しかし、「上限が6年」になっているので、それ以上事故を起こしたからといって青天井に事故有り係数が適用されるわけではありませんのでご安心ください。

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