当たり屋をひいてしまった場合、過失割合はどうなるの?

当たり屋

当たり屋なんて昔の映画やドラマの中の話、と思ったら大間違いです。

今も昔も当たり屋は存在します。

実際に私も何度か対応をしたことがあります。

そこで、当たり屋をひいてしまった時の対処方法や過失割合をご紹介したいと思います。

当たり屋にあったらどうすれば?

実は「当たり屋」と「本当の被害者」の区別は大変つきにくいです。

「車に乗っている当たり屋」「自転車に乗っている当たり屋」「歩いている当たり屋」、などがいますが、どれも実際に衝突、接触するので事故直後に気がつくのはほぼ不可能です。

当たり屋も巧妙になっているので、昔のようにその場で多額の現金を要求したり、警察を呼ぶことを拒否したりすることは減っています。

ごく普通の若者やお年寄りが当たり屋をしていることも珍しくありません。

かといって当たり屋に泣き寝入りという訳にはいきませんよね。

だから最低限の対応として、「事故の時は相手が嫌がっても警察を呼ぶこと」を徹底しましょう。

そして、「その場で示談をしよう」という提案には決して乗らないようにしましょう。

何か怪しいと思う点があればしっかりとメモを取り、警察と保険会社に報告してください。

その後の対応は保険会社に任せましょう。

保険会社はその地域の当たり屋などの情報はある程度持っています。

じっくりと調査をしながら相手の正体を明かしてくれるはずです。

警察は明らかに何度も事故を起こしている要注意人物や怪しい様子がなければ、簡単には当たり屋を疑った捜査はしてくれないことが多いので、まずは保険会社にじっくりと話をしてみてください。

当たり屋の過失割合

さて、当たり屋との事故になった時の過失割合についてです。

当たり屋と発覚した時点でどんな事故状況でも、あなたの過失割合はほぼ「ゼロ」になります。

わざとぶつかったので、そもそも「事故」ではありませんよね。

全てが相手の責任となります。

とはいうものの、先ほどお話ししたように当たり屋はすぐに「当たり屋」と確定しません。

それまでは通常の事故として処理されていきます。

それまではもやもやするかもしれませんが、状況を見守りましょう。

当たり屋の事例

事故状況

当たり屋

契約者Aさんが自宅車庫から公道に出ようと左右を確認したところ、右方から走ってきた自転車が転倒。

自転車と車はまったく接触していなかったけど、心配したAさんが自転車の運転手Bさんを気遣って車から降り、手をさしのべました。

するとBさんはものすごい剣幕でAさんを罵倒。

「車が少し動いてびっくりしてこけた!明日から仕事に行くことが出来ないから今すぐ示談金を支払え!慰謝料5万円だ!」と。

Aさんはあまりの剣幕に驚いてその場で慰謝料を支払いました。

Aさんはこれで一件落着と思ったのですが、Bさんはその日の夜に再度お金を要求してきたのです。

恐ろしくなったAさんはBさんの連絡先を聞いて保険会社に報告をしました。

保険会社の対応

ここからが私たちの出番です。

Aさんの話を聞いて怪しいなと思いましたが、疑っていることはおくびにも出さずBさんに連絡をし、すぐに警察と病院に行くことをお願いしました。

病院で診断書を出してもらわなければ、いくら怪我をしていても賠償上の「怪我」としては認められないからです。

当たり屋と思われる人は、病院や警察、と言うと請求を引っ込める事があります。

特に最初にある程度の現金を手にしている場合は、面倒を嫌がりそれ以上の請求を諦めます。

ところがBさんはひるむことなく、その日のうちに病院で診察を受け警察に診断書を提出しました。

これは意外でした。

この時、私も人身担当者も「これは中々厄介だな」と思いました。

警察も当事者同士が交通事故ですと言えば疑うことなく受理し現場検証を行います。

その結果、この事故は人身事故として取り扱われることになりました。

病院の診断結果は「打撲」のみでした。

通常、自転車で転倒した打撲であれば1ヶ月もあれば完治するものですが、Bさんはなんと半年も通院をし、その間に仕事を休んだ休業損害や通院交通費など、かなりの賠償金を受け取っています。

私たちにも何度も「慰謝料を示談前に支払え!」(基本的に慰謝料は示談しなければ受け取れません)「Aさんに直接慰謝料を請求する」などと、無理難題を押し付けてきました。

そもそもBさんが勤務しているという会社もかなり怪しく、担当者がいつ訪れても事務所に従業員が見当たらず、とてもまっとうに営業しているようには見えないものでした。

Bさんが毎日通院している整骨院に担当者がアポなしで訪れても、その日に限って通院していないのです。

そして担当者が整骨院を訪れなかった日は毎日通院しているという明細書が提出されます。

誰が考えてもおかしい話ですよね。

誰しもがBさんのことは「当たり屋」だと感づいていましたが、証拠はありません。

「ぶつかっていないけど、車の存在に驚いて転倒した」ということが嘘である、ということは本人以外にはわからないことですよね。

この件では、最初に対応した私も、人身担当者も、当時の上司も真っ黒なグレーだと思っていました。

ただ、直接的な証拠が見つからないので賠償金を支払わざるを得ません。

私たち示談担当者もAさんも本当に悔しい思いをしました。

「当たり屋」確定、そして逮捕

しかし、あまりのBさんの要求の激しさと事故状況のおかしさに上司が地元の保険会社同士の情報交換会でBさんの話を他社さんに聞いてみたのです。

するとほぼ全社にBさんと関係がある事故がありました。

今回のように非接触の転倒事故や、追突事故、軽い接触など様々な事故を起こし賠償金を受け取っていたのです。

どの事故も決定的な証拠には欠けますが、これだけ「怪しい事故」が連発していればそれだけで大きな証拠になります。

すでに賠償金を支払っている保険会社がほとんどでしたので警察に通報し、最終的には、Bさんは「保険金詐欺容疑」で逮捕されました。

Aさんも、私たち社員も本当にすっきりした瞬間でした。

これってBが通ってた整骨院も怪しくないですか?

そう、実は整骨院もグルで、通っていもいないのに明細書を作成してたの。

やっぱりそうだったんだ。

しかし、整骨院といい、形だけの会社といい、用意が周到ですね。

もうここまでくるとプロですね・・・

そういえば、もしAさんがドライブレコーダーを付けていたら、もっと早くに当たり屋だって気づけたんじゃないですか?

もし、当たった、当たってないで揉めていたケースなら証拠になりえるけど、今回の場合は当たりそうになって避けた結果、怪我をしたわけだから、決定的な証拠にはならないわ。

ただ、当たり屋の挙動を見ることである程度「故意か否か」を推測することはできるので、決定的な証拠まではいかないけど、有効な証拠の一つになるかもしれないわね。

そっかー。今回は当たってないんだったな。

これは本当にやっかいな事件でしたね。

そう考えると損保同士の情報交換って大事なんですね。

そうね。当たり屋は保険会社の共通の悩みだから、普段はライバルだけど、協力する所は協力していかないとね。

それでは今日も安全運転で!

そろそろドラレコ?

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