示談担当者ならこう選ぶ。後悔しないバイク保険の選び方

女性ライダー

実は私、バイクの中型免許を保持しているライダーなのです。
写真はイメージです(笑)

いやいや、結城さん、これちょっと盛り過ぎじゃないですか?

あ、あくまでイメージよ、イメージ。

バイクに乗ってるときは、私の頭の中ではこんな感じなの!

そんなことより、元示談担当者でバイク持ちの私が、バイク保険の選び方を詳しくご説明します。

そもそも「バイク保険」とは俗称で、自動車保険の一種。バイク事故に関するリスクを補償する、任意保険に当たります。

ちなみに、125ccを超えた「二輪自動車」、125cc以下の二輪車と50cc以下の三輪以上の自動車である「原動機付き自転車」が一般的な「バイク」と呼ばれています。

損害保険料率算出機構の調査によると、二輪車を購入している方の中で、任意保険の加入率は42.0パーセントと低めです。

後述しますが、バイクの事故は自分の怪我だけでなく、対人対物ともに費用が高くなりがち。被害者の場合も加害者の場合も、金銭面のケアがとても大事になってきます。

ぜひこの記事を読んで、自分にあった保険を選んでくださいね。

通販型と代理店型どちらが良い?

バイク保険を選ぶとき、まず選ばなければならないのが保険会社のタイプです。

日本には「通販型」「代理店型」の2種類の保険会社があります。

通販型、代理店型の大きな違いは、「保険会社と契約者の間に代理店が存在しているかどうか」「保険料」です。

通販型は、代理店がいない代わりにインターネットで申し込むと、インターネット割引で保険料が格安。

代理店型は、代理店さんが契約や事故時の手続き、相談などにきめ細かく対応してくれるけど保険料が割高です。

どちらの保険会社も事故対応能力に違いはありませんが、代理店さんが間に入ってくれることで得られる安心感に差が出てくると思います。

私はグループ会社の通販型損保の事故処理を担当していたことがありましたが、多くの人が「相手の保険会社の代理店さんが現場に来てくれていたけどあなたは来ないの?」というご不満を漏らされていました。

通販型は代理店さんが存在しませんので現場に急行することはできません。

「保険料が安い通販型がいいけど、事故の時少し心細いな」という方は、通販型の中でも『自分が住んでいる地域に拠点がある通販型』を選ぶと良いでしょう。

原則、電話での対応となりますが、死亡事故など大事故の場合、保険会社の社員と面談を行う可能性もありますので。

とりあえず「バイク保険の一括見積り」で保険料を比較してみるのがおススメですよ。

後悔しない補償内容の選び方

バイク保険で必要不可欠なのは下記の3つです。

  1. 対人賠償責任保険
  2. 対物賠償責任保険
  3. 人身傷害保険

個人的にはこれさえ入っておけば大丈夫だと思います。

対人と対物はもちろん無制限にして下さい。

「対人はわかるけど、対物は無制限じゃなくても1000万円ぐらいあれば大丈夫じゃない?」と思うかもしれません。

確かにバイクは車よりも小さい分、衝突時の破壊力は低いですが、ガソリンタンクがむき出しになっているので火災のリスクが高いです。

例えば、首都高速道路で炎上したタンクローリー車が、数十億円の賠償金を負担するケースも。結果としてその会社は倒産してしまいました。

バイクだって同様の炎上事故を起こす可能性がありますので、対物は迷わず無制限にしておきましょうね。

人身傷害保険は、治療費の実費プラス、慰謝料休業損害を支払ってくれる保険です。

これに入っておけば、治療費の自己負担が発生することはほとんどありませんし、会社を休んでも給与分が補償されます。

警察庁の平成28年中の交通事故の発生状況を見ると、自動二輪車と原動機付き自転車の事故は、軽傷者や死者よりも、重傷者の割合が多いことがわかります。

このように、バイクは自動車よりも怪我をするリスクが高くなっているのです。保険料も割高になりますが、使用頻度が高い人は入っておくと安心です。

自動車保険とはここが違う!バイク保険の無駄がない補償のつけ方

バイク保険の補償を選ぶとき、自動車保険と同じ感覚で選んでいると大きな無駄が発生する可能性があります。

補償のダブり、過剰な補償で、不要な保険料を支払っている人が少なくありません。

特に、通販型の保険会社でバイク保険に入っている人に多いと思います。

125cc以下ならファミリーバイク特約の方がお得かも!

自動車保険には「ファミリーバイク特約」という特約があります。

ファミリーバイク特約とは、125CC以下のバイクに乗っている時の事故について補償する特約です。

対人、対物、は自動車保険本体の補償内容がそのまま適用されます。

自分だけではなく、同居の家族が補償範囲なので、複数のバイクがあっても1つだけファミリーバイク特約をつけておけば良いのです。

両親と同居している独身のお子さん2人がそれぞれ別の125CCのバイクに乗っている、というケースでは、ご両親どちらかの自動車保険にファミリーバイク特約をつけることで、お子さんたちのバイクに補償がつきます。

同居人がいて自動車保険に加入しているという人や、自分も車を持っていて自動車保険に加入済みという人、バイクを複数所有している人は、ファミリーバイク特約をつけたほうが保険料が格安になるかもしれません。

まずは保険会社に見積もりを依頼してみましょう。

ファミリーバイク特約よりも個別にバイク保険に加入したほうが保険料が安いという方や、125ccを超えるバイクに乗っている方は、次の項目を参考にして補償を組み立ててください。

無駄のない補償のつけ方

基本は「対人、対物無制限」、「人身傷害3000万円」、「搭乗者傷害なし」でオッケーです。

搭乗者傷害とは、入院や通院の日数や症状に応じてお見舞金が支払われる保険のこと。

ですが、人身傷害保険に入っていれば、治療費の実費と慰謝料や休業損害が支払われますので、搭乗者傷害は不要だと思います。

参考:『人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いって?』

車両保険をつけるべきか否か

バイク保険に車両保険をつけると、保険料が高額になりますので、どうするべきか迷いますよね。

私も散々迷いましたが、結局つけませんでした。

車両保険の一般条件をつけた見積もりをしたところ、保険料が年間に10万円も高くなったからです。

お金があればつけたいところですが、私にはそんな余裕はありません・・。

かといって、バイクの運転も上手な方ではないので、全くの無補償も心配。

ということで、保険の代わりに毎月一定額を貯金するようにしました。

もし事故でバイクが壊れてしまったらそこから修理代を支払い、もし無事故で数年過ごすことができたら、ツーリング旅行費用にしようかなと思っています。

私の場合は、バイクは週末に乗る程度で遠出もしないので、車両保険なしでも大丈夫かなと思いました。

けれど、「毎日通勤で乗っているよ」「週末は100キロ以上のツーリングに出かけるよ」という人は、車両保険をつけておいた方が安心だと思います。

車両保険をつけた時の保険料アップが耐えられないという方は、通販型に乗り換えるとかなり保険料が割安になりますので、検討してみてください。

通販型のバイク保険を扱っている保険会社は以外と多いので、「バイク保険の一括見積り」がおススメですよ。

示談担当者も入っている。バイク保険の特約

下記は、「保険料は格安に、補償は最大に」をモットーに、私が入っているバイク保険の特約です。ぜひ参考にしてみてくださいね。

対物全損時修理差額費用特約

「示談担当者ならこう選ぶ。後悔しない自動車保険の選び方」の時にも、口が酸っぱくなるほどおすすめしている特約です。

事故の相手方が全損になった時、法律で定められた賠償金はその車の時価額(市場価格)なのですが、この特約をつけていればプラス50万円までの修理代を相手に支払うことができます。

全損は本当に揉めますし、お互いに嫌な思いをすることが多いです。被害者が職場に突撃してくるような事件もあったりします。

いらぬ揉め事に巻き込まれないためにも、是非とも加入してほしい特約です。

参考:『交通事故で車が全損になった場合に、請求できる保険金のまとめ

携行品特約

私はツーリング先で写真を撮るのが趣味なので、カメラが手放せません。

ボーナスで買った一眼レフ!バイクの運転が決して上手とは言えない私がこけたら、一眼レフも壊れてしまいます…。

ということで、携行品特約は外せません。

アジャスター(保険会社からの依頼を受けて、損害の調査をする人)さんに聞いてみると、「自分も動画撮影用のビデオや釣竿などを持ってツーリングに行くので、携行品特約は必須だ」とのこと。

ツーリングと一緒にする趣味がある人は加入しておくことをおすすめします。

弁護士費用特約

自分や家族が自動車保険に加入していて、すでに弁護士費用特約に加入済みであれば、わざわざバイク保険で弁護士費用特約に加入する必要はありません。

バイク保険しかない、という人はつけておくことをおすすめします。

なぜなら、バイクの交通事故は揉めやすいからです。

私は示談担当者として数々の交通事故を解決してきましたが、中でもバイクが絡む事故は揉める確率が高いのです。

私の経験上、揉める理由は下記の三点です。

  • 「バイクはほぼ怪我をするので被害者感情が強くなる傾向にあること」
  • 「バイクはすぐ全損になること」
  • 「バイクに対する愛着は自動車に対する愛着よりも強いこと」

つまり、ライダーは解決に対するハードルを無意識のうちに高くしているのです。

「自分はそんなことないよ」と思うかもしれませんが、私が見てきた限り、ほとんどのライダーが納得した示談内容を手にしていないように思えます。

だからこそ、弁護士費用特約をつけて自分が納得いく示談結果を勝ち取るべく、プロに相談や交渉を任せるのです。

バイクに対して、並々ならぬ愛情を持っていると自負しているライダーさんは是非つけておきましょう。

私ですか? もちろん加入済みです!

色々特約の紹介をしましたが、保険会社によって特約の保険料は変わってきます。

「バイク保険の一括見積り」で保険料を比較してみるのがおススメです。

バイク保険の特約って他にどんなのがあるの?

ここでは、先ほど紹介した特約以外のものをご紹介します。

ただし、保険会社によっては、ご紹介した特約の中には取り扱いがない特約もあります。自分が入ろうと思っている保険会社のホームページで確認してみてください。

傷害特約

バイクに乗っていない時の怪我について補償する特約です。

通院日数や入院日数、手術の内容によって決められた保険金が支払われます。

ほぼすべての怪我が補償対象となりますので、傷害保険代わりに加入しておく人もいるようです。

盗難時の臨時費用特約

バイクが盗難された時に臨時にかかる費用を支払う特約です。

警察に届けた時のみ支払われます。

ちなみに、車につけた車両保険では、ほとんどの場合バイクの盗難に補償がつきません。

自動車保険の約款には、バイクに関する「盗難危険不担保特約」、つまり盗難されても損害は担保しませんよ、と書かれているのです。

他車運転特約

友人や知人のバイクを借りた時に、自分のバイク保険を使うことができる特約です。

友人や知人のバイク保険が「本人限定」などが付いており、自分が乗ったら保険が下りないという場合でも、この特約が付いていれば大丈夫です。

ただし、借りるのはバイクや原付に限ります。

自動車は対象外なのでご注意ください。

バイク保険の失敗談

ここでは私が実際に担当したバイク保険の失敗談をご紹介します。

保険の入り方を間違えると彼らのような悲しい目に遭うことがありますのでご用心くださいね。

ファミリーバイク特約の落とし穴

まずは自動車保険やバイク保険につけるファミリーバイク特約を勘違いしていた失敗談です。

松岡さん(仮名)は自動車保険にファミリーバイク特約を付けていました。

ご自身や奥さまがバイクにお乗りになるからです。

お二人は1台のバイクに乗って毎週末ツーリングを楽しんでいたのです。

そんな松岡さんが交差点での出会い頭事故を起こしてしまいました。

バイクは壊れ、お二人も打撲と擦過傷で全治2週間です。

私のところに松岡さんの事故報告が届いた時、乗っていたバイクを記入する欄に「CB400」と書かれていました。

CB400

CB400

「渋い!CB400かぁ。私も乗ってみたいなあ。ってあれ??これってファミリーバイク特約だよね?」

松岡さんのバイクに一瞬目を奪われてしまいましたが、我に返ってびっくり。

だってファミリーバイク特約は「125CC以下のバイクに限る」と決められているのに、松岡さんは400CCのCB400に乗っているのです。

私は慌てて松岡さんに連絡をしました。

「松岡さま、この度の事故の件ですがお乗りになっていたのはCB400で間違いありませんか?」

松岡さん「そうなんですよ。もう15年も乗っているんです」

「実は松岡さま、ファミリーバイク特約というのは125CCまでなんです。400CCは対象外なので今回の事故は当社から保険金をお支払することができません。どちらかでバイク保険に加入ではないですか?」

松岡さん「え!!!そうなの!?だってバイク仲間がファミリーバイク特約が保険料が安いって言うからさあ」

「確かに保険料は安いですが125CCまでなので・・」

松岡さん「じゃあ今回の事故の賠償金て全部自腹ってこと?」

「そうなりますね・・」

なんと松岡さんは125CCのバイクに乗っているツーリング仲間に「ファミリーバイク特約は安い」と言われて、特に内容を確認せずに自動車保険にファミリーバイク特約をつけたようです。

松岡さんはご自身で相手の保険会社と交渉をし、賠償金も全額自腹で支払いました。

搭乗者傷害保険と人身傷害保険は別物?

山口さん(仮名)は1100CCの大型バイクで転倒事故を起こし、バイクの下敷きになり、左足と左手を骨折する重傷を負いました。

最低2週間は入院することになり、仕事もしばらく休まなければなりません。

ところが、山口さんのバイク保険には搭乗者傷害保険をつけていましたが、人身傷害保険が付いていなかったのです。

搭乗者傷害保険はお見舞金が支払われるだけで、治療費の実費や慰謝料、休業損害などは支払われません。

ちなみに山口さんの搭乗者傷害は「部位症状別払い」というタイプのものなので、「足を骨折=20万円」を一度支払ったら終わり、というものでした。

しかし山口さんはそれを知らなかったのです。

では、山口さんと私のやり取りをご覧ください。

「今回は大変でしたね。お怪我については、搭乗者傷害保険でお医者様の診断内容に応じた保険金をお支払することになります」

山口さん「ああそうそう。そのことなんだけど、すぐに病院に連絡してもらってもいいかな?保険から治療費を支払うって事務の人に伝えて欲しいんだよね。そうしたら僕が立て替えなくてもいいって、看護師さんが言ってだんだよ」

「そうでしたか。残念ですが山口様は、治療費を病院に直接支払うことができる保険にご加入ではありません。足の骨折ということで搭乗者傷害保険から20万円が支払われますが、治療費の実費はご自身でお支払いいただくことになります。そのため、私から病院に電話はできないのです」

山口さん「え????だって搭乗者傷害保険に入ってるから治療費も出るんでしょ?」

「搭乗者傷害保険は治療費を支払う保険ではないのです。治療費は人身傷害保険に入っていなければ支払われないんです」

山口さん「え、そんな・・・。入院も手術もしたから治療費がすごいことになってるらしいんだけど、どうしたらいいの?」

「20万円の保険金は請求書をご記入いただいて診断書と一緒に当社に送付していただければすぐに山口様にお支払い致します。そのほかは、健康保険(医療保険)に「高額療養費制度」というのがあり、高額な医療費は後ほど還付される可能性があります。一度ご相談されてみたらいかがでしょうか?」

山口さん「そうですか・・。友達が搭乗者傷害保険の方が安いからいいって言っていたけれど、こういうことが理由だったんですね。ちゃんと代理店さんに相談して入ればよかった・・」

山口さんは保険料の安さに気を取られ、補償内容をしっかりと確認していなかったようですね。

結局、高額療養費制度を使ったので、治療費の自己負担は搭乗者傷害保険の20万円プラス10万円程度で済んだそうです。

しかし、会社を休んだ分お給料が減額されてしまい、しばらく生活が苦しかったとお話されていました。

保険料の安さばかりを優先してしまうと、事故が起きた時、山口さんのように経済的に苦しむことになります。

皆さんは、補償内容を決める時に、しっかりと支払われる保険金について確認しておきましょう。

この記事を読んでバイク保険を見直そうと思ったら「バイク保険の一括見積り」がおススメですよ。

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