交通事故の相手が無保険だった場合の対処法

今も昔も任意保険に加入せずに運転しているドライバーさんは少なからずいらっしゃいます。

事故相手が任意保険未加入=無保険の場合は対応も一筋縄でいかないことも…。

そこで事故形態別に対応の方法をご説明したいと思います。

相手が無保険だと分かったら、まずは目を通してください。

0:100事故 怪我なし の場合

相手が100%悪い事故、例えば相手が追突してきた事故や信号無視をした事故、駐車場に停止していたあなたの車に衝突した事故、などです。

この場合はあなたが車両保険に加入しているかどうかで対応が変わってきます。

①車両保険に加入している場合

まずは自分の保険会社に連絡をしましょう。

相手が100%悪いのだから自分の保険を使うのは気が進まないかもしれませんが、無保険の相手は簡単には修理代を支払ってくれませんので自分の保険で素早く修理したほうが得策です。

保険会社によっては、契約者さんに過失がない事故での車両保険の請求は等級に影響がない、という特約やルールがあります。

参考:「等級が下がる事故と下がらない事故」

もし自分の保険は無過失の場合は等級に影響がない特約やルールが適用されているのであれば、迷わず車両保険を使ったほうが安心です。

保険会社は車両保険であなたの車の修理代を支払った後、無保険の相手に請求をします。

支払いに応じない場合は請求専門の部署に移管し、法的手続きをとることもあります。

②車両保険に加入していない場合

車両保険に加入していなければ保険会社はあなたの代わりに相手に請求することができないので、全て自分で交渉することになります。

では早速交渉方法をご紹介します。

まず自分が信頼できる修理工場で見積もりをとってもらい、修理代を確定させます。

その後、修理をする前に相手から全額修理代を支払ってもらいましょう。

こうすれば「修理をしたけど、相手が支払ってくれなくて結局自分が立て替えた…」なんてことにはなりません。

見積もりに文句をつけられたり、支払いを渋られた場合は次の手段です。

ベストなのは弁護士に相談することです。

自動車保険に弁護士特約があれば自己負担なく相談できます。

参考:「示談の相談をするなら弁護士?司法書士?行政書士?誰がベスト?」

もし、弁護士特約がない場合は、自分で何度も加害者に連絡をして支払ってもらえるまで粘り強く頑張るしかありません。

その場合は、修理代の請求を内容証明で送付しておくとよいでしょう。

内容証明とは、決められた書式に従って文書を作成し、郵便局に持っていくと送付した文書の写しを保管してくれる郵便物です。

これで送付した日付、内容、が公的に証明されます。

内容証明を送ることで、「請求を受け取った受け取ってない」の水掛け論を防止できます。

参考:内容証明とは| 郵便局

それでも支払われない場合は少額訴訟を起こす、という手段もありますが相手に財産や不動産がなければ、判決で支払いを命じられても実際に支払ってもらえる可能性は低いでしょう。

最終的には、修理代金を全く支払ってもらえず泣き寝入りになってしまうこともあります。

参考:「相手にお金がない場合、裁判で勝っても慰謝料を払ってもらえないの?」

お互いに過失が発生する事故 怪我がない場合

双方が動いている交差点での出会い頭の事故など、お互いに過失割合が発生する事故の場合は保険会社にお任せしましょう。

自分にも過失があるので、保険会社の「示談代行サービス」を使うことができます。

事故報告をし、打ち合わせをしたら後は保険会社と相手が交渉をすることになります。

保険会社にとって無保険の方との交渉は珍しいことではありませんのでご安心ください。

ただし、車両保険に加入していない場合は相手への自分の修理代の請求は自らが行わなければなりません。

①車両保険 未加入の場合

あなたの過失割合分は自己負担になります。

言葉だけでは分かりにくいと思いますので、具体例で見ていきましょう。

【自分の過失30% : 無保険者の過失70%】
【自分の修理代30万円 : 無保険者の修理代20万円】

過失割合、修理代金がこれで決定したとします。

あなたが無保険者に賠償すべき額

無保険者の修理代20万円×あなたの過失割合30%=6万円

→対物賠償責任保険から支払われるので自己負担はありません。

無保険者があなたに賠償すべき額

あなたの車の修理代30万円×無保険者の過失割合70%=21万円

→相手に自分で請求しなければなりません。

もし対物賠償責任保険を使用して相手に修理代を支払うのであれば、相手があなたに支払うべき金額21万円から、相手にあなたが支払うべき6万円を差し引いて清算します。

よって

21万円(無保険者があなたに賠償すべき金額)−6万円(あなたが相手に賠償するべき金額)=15万円

となり、結局あなたは15万円を自力で相手から回収しなければなりません。

もし、相手がどうしても支払ってくれない、ということになれば弁護士に依頼をする等の法的手段を取るようにしましょう。

②車両保険に加入している場合

保険を使用すると決めれば、車両保険からあなたの修理代が全額支払われますので自己負担はありません。

相手が支払うべきあなたの車の修理代は保険会社が請求してくれます。

0:100事故や自分の過失が少ない事故で、あなたが怪我をしている場合

0:100事故や、自分の過失が少ない事故で怪我をしたのに相手が任意保険に加入していない、ということになった場合の対処法をご紹介します。

①相手が任意保険なし、あなたが人身傷害保険に加入している場合

あなたが人身傷害保険(*)に加入していれば全く問題なく怪我の対応をしてもらえます。

人身傷害保険は、対人賠償責任保険(*)と同じく、怪我の治療費や慰謝料、休業損害といった補償を受けることができます。

対無保険者との事故で怪我をしたらすぐに自分の保険会社に報告をしましょう。

(*)人身傷害保険は対人賠償責任保険と同様の補償を、運転手さんや同乗者さんに行うことができる保険です。

(*)対人賠償責任保険はお相手の怪我の治療費や慰謝料、休業損害といった損害を実費で補償する保険です。

人身傷害保険に加入していれば交通事故のお怪我の治療費やお薬代の自己負担が出ることはほとんどありません。

医療機関の窓口で自己負担することなく治療を受けることができるので、なんら不便を感じることはないでしょう。

ほとんどの保険会社で、人身傷害保険のみを使った場合は等級に影響することはありませんのでご安心ください。

もちろん、保険会社はあなたに人身傷害保険の保険金を支払った後、相手の自賠責保険や相手に直接請求します。

②相手が任意保険なし、自賠責あり、あなたは人身傷害保険未加入

この場合、あなたは相手の自賠責保険に治療費や慰謝料を請求しなければなりません。

自賠責保険の請求には「加害者請求」「被害者請求」の2通りがあります。

その名の通り事故の加害者が治療費などを立て替えて支払い請求するのが加害者請求、被害者が治療費を立て替えて請求するのが被害者請求です。

どちらの手段を取るのかは、加害者と相談して決めなければなりません。

加害者がしっかりしている人だなと感じれば加害者請求をするように依頼し、治療費などの実費は全額加害者に支払ってもらいましょう。

しかし、頼りない、経済的に不安そう、と思ったら自分で被害者請求をしたほうが安心です。

どちらにせよ自賠責保険を初心者の方が請求するのはとても大変な作業ですので心してかかりましょう。

(詳しくは、「自賠責保険と任意保険の違いって何?」をご覧ください。)

もし、あなたが人身傷害保険の加入がなくても「搭乗者傷害保険」の加入がある場合は、自賠責保険から受け取れる治療費や慰謝料とは別に入通院の状況に応じて、一定の額が支払われる可能性があるので自分の保険会社には報告を入れておきましょう。

③相手が任意保険、自賠責保険、ともになし、あなたも人身傷害保険なし

相手がしっかりと治療費や慰謝料を支払ってくれればよいのですが、そうでなければ、「政府保障事業」の対象となります。

国土交通省が治療費や慰謝料などを支払ってくれるのです。

実際の窓口は民間の保険会社が担当します。

ただし任意保険のように「加害者さんが窓口で負担をしなくていいように手配をしておきますね」という手続きは取れませんので、全額自己負担した後で書類を整えて請求することになります。

限度額は自賠責保険と同じ基準です。

参考:政府保障事業について | 国土交通省

まとめ

相手が任意保険に加入していない場合、色々と手続きが面倒になりますよね。車両保険人身傷害保険にちゃんと加入していればスムーズに事故処理を進めることができますが、これらの保険がないと自己負担が発生したりとても大変な事務手続きをしなければならない、ということになりかねません。

転ばぬ先の杖、として車両保険や人身傷害に加入しておいたほうが安心です。

参考:車両保険が下りる場合と下りない下りる場合
  :車両保険に入れない車ってあるの?

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