優先道路を走っている場合は、過失「0」なんでしょ?

いくら頑張っても優先道路を走行しただけでは過失「0」になることはほぼありません。

しかし、私も示談担当者になる前はこう思っていたので、この気持ちはよくわかります。

今回は優先道路を走行している場合の判例タイムズ(事故の判例集)の過失割合と私が担当した事故ご紹介しますので、読んでみてください。

そもそも、優先道路って?

過失割合の前に、みなさんに問題です。

この中で優先道路はどれでしょう?

1.広路の道路

広路と狭路

2.センターラインが貫通している道路

センターラインが貫通している交差点

3.一時停止無しの道路

一時停止ありの交差点

う~ん

1番目は何も標識がないから優先道路じゃないかなぁ。

そういう意味では2番目も標識がないから、相手の方に一時停止の標識がある3番目が正解じゃないですか?

正解は2番目の「センターラインが貫通している道路」が「優先道路」です。

1番目と3番目の道路は優先道路とは言いません。

このほかにも、「優先道路の標識」がある道路も優先道路となります。

相手の方にだけ「一時停止の標識がある」というだけでは優先道路とは言わないのです。

えー。そうなんですか!?

うわー、俺今まで間違って運転してたんだ。。。

今度から気を付けよ。

(ただしセンターラインの貫通や優先道路の表示がなくても、幹線道路でもう片方の道が狭い路地などの場合にはこの「優先道路」の過失割合を適用することがあります)

優先道路を走っている場合の過失割合

ここでは一番多い事故形態をご紹介します。

優先道路の事故

優先道路を直進しているAと脇道から出てきたBが衝突した、という事故です。

基本割合「A10:B90」です。

優先道路を走行していても過失は0にはならないのです。

優先道路の場合、交差点に進入する時に「徐行」や「減速」をする義務はありませんが、道路状況に注意しながら運転しなければならない「安全運転義務」「注意義務」はあるからです。

修正要素はこちらです。

Aにプラス10%

・Bの明らかな先入

Aにプラス15%

・Aの著しい過失

Aにプラス25%

・Aの重過失

Bにプラス10%

・Bの著しい過失

Bにプラス15%

・Bの重過失

ご覧の通りこの事故形態の修正要素はいたってシンプルです。

「著しい過失」「酒気帯び運転」「スマホ利用」「15キロ以上のスピード超過」です。

「重過失」「酒酔い運転」「30キロ以上のスピード超過」です。

これらの修正要素で修正することはほとんどないので、ほぼ基本割合の「10:90」で解決します。

私たち示談担当者にとってはもっとも解決しやすい過失案件といってもいいでしょう。

ただし、Aが自分の過失を認めた場合ですけどね。

この事故形態ではタイトルの通りA車がゼロ主張をすることが少なくありません。

しかし、いくら優先道路を走行していても注意義務や安全運転義務がなくなる訳ではないので、過失が0になることはほぼありません。

「優先道路だから過失は0!」0主張さんとの戦い

事故形態は先ほどの同じです。

優先道路の事故

この事故形態では優先道路を走っていた人は「自分の過失はない」と主張しがちです。

私が担当しただけでも10人以上がゼロ主張をしました。

しかし、その中で「0:100」になったものは一つもありません。

その中でも一番手強かったのがAさんです。

私の契約者Bさんが脇道から左右確認をしたものの確認不足で優先道路に入ってしまい右側から走ってきたAさんと衝突しました。

幸いなことに怪我はありませんでしたが、お互いの車は全損です。

Aさん「優先道路を走っていたら脇道からBさんが飛び出してきたんだよ。こっちに過失はないです。全部支払ってもらいます」

「確かにA様は優先道路を走行されていましたが、だからといって過失が0にならないんです」

Aさん「わかってるよ。僕も判例タイムズを見たから。10%あるっていうんでしょ?けどこっちにも修正要素があるんだよ」

「よくご存知でいらっしゃいますね。それでは修正要素を教えていただけないでしょうか?」

最近はインターネットで誰でも判例タイムズの過失割合を調べることができるので、こういうことも珍しくありません。

やりにくいな、と思うこともありますが同じ土俵でお話ができるので、示談担当者としては助かります。

Aさん「あのね、おたくのBさんの『徐行なし』ですよ。いきなり飛び出してきたんだから徐行なしを適用して0:100です」

「A様、申し訳御座いませんがこの事故形態には『徐行なし』という修正要素はありません。修正要素、というのは事故形態ごとに異なるので、他の事故形態の修正要素は適用できないんです。この10:90という割合には徐行なしは織り込み済みですので、0:100にはなりません」

Aさん「そうなの?ネットに修正要素って書いてあったんだけど」

インターネットの情報は断片的だったり不正確だったりすることも多く、誤った情報で交渉をしてしまう方も少なくありません。

Aさんも間違った情報を鵜呑みにしてしまったようです。

「おそらく、そのサイトが少し間違っていたかもしれないですね。それでは私から判例タイムズのコピーをお送りしますので参考になさってください」

こうしてAさんとの戦いがスタートしました。

実際のところ、事故状況的には修正要素にあたるようなものはないので、いくらAさんが主張をしてもこちらが折れることはありません。

判例タイムズを見たAさんは、判例タイムズの修正要素は諦めて他の戦法に切り替えました。

それはBさんへの直接請求です。

インターネット上の情報を駆使しているらしいAさんは「0主張が通った」という体験談を参考に交渉をしているようでした。

AさんはBさんの携帯電話だけではなく職場にも電話し、100%の賠償金を請求しました。

その一報を聞いた私はすぐに弁護士の先生に依頼することに決めました。

Aさんのように精力的に交渉される方への対応は相当時間が取られてしまい、他のお客様や案件への影響が多大です。

Bさんの私生活にも悪影響が及んでしまいます。

私の上司は「そういう案件に時間を取られるなら弁護士に依頼して契約者を守ろう」というスタンスなので、弁護士に依頼することを推奨していました。

こちらが弁護士に依頼すると、Aさんは1ヶ月ほど粘りましたが埒があかないと思ったのか、ご自身も弁護士に依頼しました。

そして、Aさんは2回、弁護士を変更し、事故発生から10ヶ月後にやっと解決しました。

過失割合は「Aさん20%、Bさん80%」です。

なんと私が依頼した弁護士は「Bさんの先入」という修正要素を適用して解決したのです。

これには私もびっくりです。

こちらサイドの弁護士先生曰く、「Bさんが先に交差点に入っていて、Aさんがブレーキを踏むことができる距離だったっていう方向から攻めました」そうです。

Aさんは、私と交渉している時に10%の過失を認めてくれていれば、1ヶ月も経たずにスピード解決できたはずなのに、10%を認めなかったばかりに倍の過失割合で示談することになってしまいました。

ちょっとAさんが気の毒ですよね。

まとめ

ご覧の通り、優先道路を走行していたからといって過失割合が0になることはほとんどありません。

むしろ頑張って交渉したためにAさんのように、多く過失を取られてしまうこともあるのです。

優先道路で事故をしてしまった場合は合致する修正要素がなければ、過失割合を認めて早く示談をしたほうが得策だと思います。

みなさんはこんな目に合わないように優先道路を走っている時でもしっかりと脇道の安全確認をしましょうね。

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