車両保険が下りる場合と下りない下りる場合

両保険が下りる?下りない?

車両保険に加入しているからといって、車の修理には全部保険金が支払われるわけではありません。

長年この仕事をしていると色々な「保険が下りないケース」に出くわします。

ここでは私が見てきた車両保険が下りないケースをご紹介しますね。

「こんなのも支払われるの?」という保険金が下りる場合もまとめてみました。

一般タイプ、エコノミータイプどちらに入っていても下りない場合

エンジントラブル等による「故障」

車両保険は、故障には対応していません。

「エンジンが焼け付いた」、「電気系統が故障してエンジンがかからない」、「オーディオが壊れた」、といった『事故とは関係ない故障』については一切保険金が支払われません。

ただし、故障が原因で走ることができなくてレッカーを呼んだ場合は、レッカー特約ロードサービス対象となりますので、レッカー代のみ保険金が支払われます。

故障して自走ができない状態になったらまずは、自動車保険のロードサービスに電話をしてみましょう。

参考:『示談担当者ならココを見る。ロードサービスの選び方。』

代車特約も、「事故・故障代車特約」という故障した場合も使える代車特約であれば、使うことができます。

地震、津波による被害

地震や津波、噴火によって車が壊れた場合、保険金が支払われません。

大きな地震があると、多くの被災者さんから車両保険のご請求をいただくのですが、泣く泣くお断りをせざるを得ません。

もし、地震のリスクに備えたいのであれば地震・津波・噴火に対応した特約が各保険会社で販売されていますので、車両保険にセットしておくとよいでしょう。

参考:『自動車保険の特約ってどんなものがあるの?』

故意に起こした事故

被保険者(保険金を受け取る人)が故意に起こした事故については、保険金が支払われません。

「腹が立ったからバンパーを蹴飛ばしてしまった」、とか「夫婦喧嘩で自分の車にいすを投げつけたとか」、そういう場合には保険は下りないので気をつけてくださいね(実話です)。

(悪意のない)故意に起こした事故

私が担当して、「これで、保険金が下りないなんてちょっとひどいのでは?」と思ったのがお子さんが車の中に閉じ込められてしまい救出しようとした案件です。

ご夫婦が先に車をおりて、荷物を降ろし、最後に車内の3歳の娘さんを連れて行こうと思ったところ、娘さんが自分でドアを閉め、こともあろうに鍵まで閉めてしまったのです。

自宅に着いたのでチャイルドシートから降ろしていたので、自分で移動して運転席の集中ロックを閉めてしまったとのこと。

季節は真夏。

エンジンも停止しており車内の温度はどんどんと高くなります。

娘さんもびっくりして泣き叫ぶばかり。

ロードサービスに連絡をしたところ到着に1時間かかると言われました。

夫婦は何の迷いもなく娘さんから一番遠いリアガラスを叩き割り、娘さんを救出しました。

娘さんは、汗びっしょりで泣きじゃくっていましたが体に問題なく、一安心です。

残ったのは無残に割れたリアガラスです。

ご夫婦は修理をするためにディーラーに持っていったところ、「保険が使えるのでは?」と言われ事故報告をなさいました。

私がその担当になったのですが見た瞬間に「これはだめかも、けど悪意があったわけじゃないし・・」と支払ってあげたいなという気持ちになりました。

しかし、そこは「公平」でなければなりません。

すぐに上司に事故報告書と約款を持っていって相談しました。

約款上「被保険者の故意による事故は補償しない」ことになっています。

上司も眉間にしわを寄せ、腕を組んで悩みました。

他の上司も呼んできてみんなで相談しましたが結局「保険金は支払えない」ことになりました。

この時ほど、お客様に申し訳ない気分になったことはありませんでした。

無免許、飲酒、酒気帯び運転など

車両保険は運転資格を持っていなければ保険金は支払われません。

その他にも、運転してはいけない病気にかかっている時、危険ドラッグなどの薬物により意識が朦朧としている状態に起こした事故も保険金の支払い対象外です(対人・対物は支払われます)。

タイヤのパンク

路上で釘を踏んでタイヤがパンクした場合、タイヤの修理代は対象外となります。

しかし、不思議なものでタイヤ以外にも傷が及んでいる場合にはタイヤの修理代も支払われます(一般タイプの場合のみ)。

私が勤めていた保険会社では「ホイールも傷ついていたらオッケー」でした。

だからパンクをしたという事故報告が入ると、アジャスターさんに見に行ってもらって念入りにホイールをチェックしてもらいホイールに傷があれば保険金を支払っていました。

しかしとある保険会社ではホイールもタイヤの一部とみなし、ホイールに傷があっても保険金を支払わないそうです。

エコノミータイプでは保険金が下りない場合

補償対象が、「車と衝突した事故、およびガラスへの損害、飛来落下物との接触、火災洪水などによる被害、いたずらによる被害」などと、一般タイプよりも狭められているエコノミータイプの自動車保険では、保険金が下りないケースが急増します。

相手がわからない当て逃げ

エコノミータイプは車と衝突した事故では支払い対象となる、はずなのですが「相手の車の所有者、登録番号が判明した場合に限る」という但し書きがあります。

だから、当て逃げでは保険金が支払われません。

もちろんスーパーの駐車場のドアパンチも対象外です。

当て逃げの被害にあって保険請求をしたのに保険が使えないと宣告され「当て逃げはされるし、保険は使えないし踏んだり蹴ったりね!」とお怒りになるお客様は結構いらっしゃいます。

「モノ」にぶつけた

こちらも保険はおりません。

ガードレールや木、電信柱にカーポートといった「モノ」にぶつけてしまった場合、エコノミータイプの車両保険は使えないのです。

よくある事故なので、運転に自信がない人は一般タイプに加入しておきましょうね。

意外!?当然!?車両保険が下りる場合

台風や大雨で車が水没した場合

大きな台風や大雨のニュース映像が流れると、必ず映っているのが浸水してしまった車達です。

タイヤ付近までなら大丈夫ですが、ボンネットを超えたあたりまで水につかるとほぼ全損と言っていいでしょう。

「水害による被害」はエコノミータイプ、一般タイプともに支払い対象です。

しかも等級は「1等級ダウン事故」扱いだから、保険料の値上がり期間は1年で金額も少額。

参考:『等級が下がる事故と下がらない事故』

被害に遭ったら忘れずに事故報告をしましょうね。

車上荒らしにあった場合

エコノミータイプ、一般タイプ、ともに警察に届け出ていれば車両保険の支払い対象です。

(車上荒らしの場合、警察への届け出が必須なので被害に遭ったらすぐに警察に通報しましょう)

車上荒らしの被害で補償されるのは、車の本体や付属品への被害だけです。

車に乗せていた荷物が盗まれたとしても車両保険では補償されません。

泥棒に窓ガラスを割られて車内の純正カーナビとシート、ハンドル、ブランドバッグ、パソコンが盗まれた場合支払い対象となるのは、カーナビ、シート、ハンドル、そして窓ガラスの修理代です。

ボディーに傷が入っていればその修理代も支払われます。

ブランドバッグとパソコンは車両保険からは支払うことができません。

※身の回り品特約に入っていればそちらから支払われます。

ここでは、エコノミータイプでも車両保険が使える意外なケースをご紹介しますね。

ここにご紹介している事例は一般タイプに加入している場合も支払い対象です。

飛んできたトタン屋根が車の屋根に落下

エコノミータイプの車両保険は「モノ」との接触では支払い対象外、とお話ししましたが「飛来物」や「落下物」により損傷を受けた場合は支払い対象となります。

飛来物の代表的なモノといえば石ですね。

田舎では草刈機が飛ばした石がぶつかった、という事故報告が珍しくありません。

飛んできたモノであれば、どこにぶつかっても保険はおります。

表題のトタン屋根ももちろんオッケーです。

飛んできたモノって結構判断しやすいのですが、「落下物」の判断は私たちも毎回迷います。

例えば、大きなクレーン車が倒れてきて車にぶつかった場合は、落下中のモノとの接触とみなされ支払い対象になります。

鳥のフンをすぐに掃除したのに塗装が剥げてしまった場合も対象です。

ただし、鳥のフンを放置していて変色してしまったモノはNGです。

窓ガラスへの損傷

エコノミータイプでも、窓ガラスが壊れた場合は「ガラスのみ」保険がおります。

例えば、飛び石によるフロントガラスへの損傷(これは飛来物との接触にもあたりまうのでダブルでオッケーですね)、や事故で大破してガラスも壊れてしまった場合、です。

自分の子供が野球をしていてフロントガラスを割ってしまったという場合も保険金が支払われます。

子供が車に石でいたずら書き

私が担当した事故で「子供がアンパンマンの絵を書いてしまった」というものがありました。

毎日色々な事故を見ますが、こんなほのぼのとした気分になる事故報告は初めてです。

アジャスターさんが写真を撮りに行ったところ、小さなお子さんが一生懸命書いたであろうアンパンマンの絵が運転席のドアに書かれていました。

私たちはその写真を見てみんなでしばらく癒されました。

実はこれも車両保険の支払い対象です。

エコノミータイプでも大丈夫。

自分の子供じゃなくても、嫌がらせによる落書きも保険金が支払われます。

ただし車の所有者である大人がわざと落書きをした場合は支払われませんのでお気をつけください。

まとめ

ご覧の通り、車両保険が下りる、下りないは結構判断が難しいものもあります。

事故を起こして判断に迷うものがあったらダメ元で保険会社に事故報告をしてみましょう。

その際に注意しなければならないのは「保険会社本体」に報告することです。

代理店さんに事故報告をすることもあるかと思いますが、代理店さんが常に最新の正しい知識を持ち合わせていない場合があります。

ほとんどの代理店さんは日々勉強されているのですが、中には本当は支払い対象になるのに「支払えない」と言ってしまったり、逆に支払えるのに「対象外」と言ってしまったりすることがあります。

「この事故はどうなんだろう?」と疑問に思ったらまずは事故報告をしてみてくださいね。

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